ありのままの気持ちを受け入れる治療
- 2021年11月10日
- クリニックブログ
こんにちは。神戸オイレクリニックです。本日もブログご覧いただきありがとうございます。今日は、朝から気温が低く寒いと感じる神戸です。院内は暖房も使用していますが、感染症対策のために窓を開けております。新型コロナウイルス感染症対策がはじまってからの冬は、換気が必須な環境で温度調節が難しいと感じます。もし、寒いなと感じたり、少し温度が高すぎるなと感じたときは遠慮なく申しつけください。調節させていただきます。
今日は、ありのままの気持ちを受け入れる治療として、うつ病と共に書いていきたいと思います。
うつ病は、精神疾患の中でも身近な病気で10~15人に1人は発症するものと考えられています。
うつ病のなると、気分の落ち込み、悲壮感が心の状態を占め、そこから罪の意識、卑下、絶望感、将来への悲観、自殺願望などといったネガティブな思考が生まれてきます。何かをする気力がなくなったり、何にも関心を示さなくなったりします。
うつ病の発症につながるさまざまな誘因と症状があります。ライフステージにおけるさ、あざまな出来事がうつ病のきっかけとなります。
●子どものうつ
いじめられたり、学校生活がうまくいかなかったりすることで、ひきこもりや不登校となるケースがあります。また、過度な受験戦争による燃え尽き症候群からうつ病を発症することもあります。
●女性のうつ
結婚や妊娠、出産といった、一見幸せな環境の変化であっても。家事や嫁・姑問題といった家庭内の持続的な葛藤がストレスとなってうつ病を発症することがあります。
また、身体にとっての大きな負担である出産に加え、子育てに対して過度な責任を感じてしまうことで、うつ病を発症するケース(産後うつ)や、仕事も家事も完璧にこなそうとするあまり、がんばりすぎてうつ病を発症してしょまうケースもあります。
●働き盛りのうつ
リストラや就職・転職の失敗による環境の変化だけでなく、昇進という一見ポジティブに思える環境の変化であっても、仕事内容や人間関係が変わることに適応できず、うつ病を発症するケースがあります。最悪の場合、うつ病による自殺や過労死もおこりうるため、2015年12月より、従業員50人以上の事業所では「ストレスチェック」を実施することが義務化されました。
●老年期のうつ
退職や配偶者の病気や死亡がきっかけとなって、うつ病を発生することがあります。また、子どもが自立することで生きがいを失ってしまうことがうつ病発症の引き金になることもあります。
◎精神にあらわれる症状の例
うつ病になると、憂うつな気分がつづき、何に対しても興味や感心が無くなります。また、悲哀感や劣等感、罪悪感などを抱いたり、思考力や集中力、決断力、判断力が低下したりすることで、日常生活に支障をきたすようになります。
◎身体にあらわれる症状
うつ病になると、食欲低下(もしくは食欲亢進)、不眠(もしくは過眠)、頭痛、肩こり、腰痛、腹痛、便秘、嘔吐、動悸、めまい、全身の倦怠感などがおき、疲れやすくなります。
うつ病の治療としては、認知行動療法がよくつかわれていました。しかし、認知行動療法のように、自分の認知のゆがみを認めかえていく作業は、うつ病患者にとってはたいへんな負担となります。このため、最近では、新しい認知行動療法が注目されています。それは、「マインドフルネス」という方法を取り入れたものです。
マインドフルネスは、仏教や禅の流れを受けたもので、「この瞬間に感じている思考や感情をそのまま受け入れ、気づくことに気持ちを集中させ、それらを一定の距離を保ってながめられるようにする」方法のことです。
自分の感情や思考を否定せず、あるがままに受け止めながら、日常生活を送っていけるよう少しずつ行動をかえていくという治療方法がとられつつあります。こういう生活を続けることで、認知のゆがみも自然と解消されていくというのです。