ありのままの自分
- 2021年5月24日
- クリニックブログ
こんにちは。本日も神戸オイレクリニックのブログをご覧いただきありがとうございます。
昨日は快晴の神戸でした。そのため人出はやや多かったと思います。私は食材がなかったため近くに買い物に行き、大好きなPAULのパンを買って帰りました。クロワッサンが美味しいフランスからきたパン屋さんです。とてもオススメです。まだまだ新型コロナウイルスの感染症対策は続きますが、最近は暑くなってきましたので、マスクかなり息苦しくなってきておりませんか?最近では冷んやりマスクや冷感マスクなどが売られていますが、不織布のマスクだとなかなか売っておりません。どうにか一日快適にマスクを着用していても不快にならないように私は色々と試してみました。一番良かったにはマスクにシュッと吹きかけるマスクスプレーです。特にアロマオイルなどがブレンドされているもので、暑い時期のはミントやレモングラス、ティートゥリー系のアロマが入ったスプレーがオススメです。鼻も喉もスッとします。良ければ試してみてください。
さて、今日のテーマは、ありのままの自分について書いてみようと思います。
たまに自分の今の状態を知りもしない人にちょっと弱音をはいたら、あなたらしくないよー。なんて軽く言われた経験がありませんか?私は過去に沢山あります。私はもともと性格がポジティブな方で傍から見ると明るい人とイメージを持たれがちなのですが、人間ですから当然悩む時もあり、元気ない時もあります。そんな時にポロっと弱音を吐いた相手に軽く、あなたらしくないよ。と軽く言われた時、私らしいって何?って聞き返したくなる瞬間です。私の事何も知らないからこそなのかな。と思います。きっと自分も悩んでる状態だからマイナスにとらえすぎなのかもしれません。
そんな時、真剣に聞いてくれた人が今の親友たちです。ありのままの自分を知ってくれて一緒になって悲しんだり、涙流したり、喜んだりしてくれる存在は大切だなと年を重ねると強く思います。
私はそれから自分にいつもと違う一面を見せて相談してくれる相手にはきちんと向き合い一度は話しを聞くようにしています。ですがそんな中で一番今でも悔んでいることがあります。
学生時代にバイトで出会った友達の話をしたいと思います。最初はバイトで出会って何人かの一緒の時期に入った仲間たちと仲良くしていました。その中でも帰る方向が一緒だったのもあり、違う大学に通う男の子と仲良くなり毎日色んな話をしながらバイトが終わり帰っていました。(その男の子をA君とします)そのA君は見た目も女性にモテる顔立ちと誰とでも仲良くなれる社交性で女性から声をかけられることもよくありました。でもいつも彼女はいらない。自分の趣味に忙しい。と言ってはみんなとワイワイという感じのごく普通の男の子という感じでした。内面も優しく人を傷つけるような事をいうような人ではないのでよく色んな人の相談にものっていました。
バイトの仲間で仲良くなってお互い信頼関係が深まったかなと思った時に、そのA君がみんなとごはんを食べている時、みんなに打ち明けたいことがあると真顔で言い出し、私はてっきりついに彼女できたかー?いいねいいね。と心の中で思っていたら、
「僕、女として生きていきたい。男であることが苦痛だった。女で生きることどう思う?」と突然カミングアウトしてきました。
私はまだ十代だったこともあり、とりあえず驚いて、どういう事かわからず、頭の中を整理すること数分。心の中で女になりたいんだし、ずっと苦しんでいたんだしいいじゃないのー?と思ったのですが、まわりは冗談だろ。ありえへんし。らしくないわー。変な冗談やめてー。とみんな冗談だと思って全く本気で聞いていない。聞こうとしない。A君は、悲しそうな顔をして用事があると帰っていきました。帰った後、そのA君のカミングアウトについて、みんなキモイだの、病気だの、ひどいことばかり言いあうので私は何だかとても悲しくなり、今までの友情は偽りだったんだとその時よくわかり、とっても嫌な気持ちになったと同時にA君以外の人たちが信用できなくなりました。その当時は今のように性同一性障害という言葉があまり知られてないのもあり、そのような言葉を軽々しくいう人がいたのかもしれません。その次の日からA君はバイトにも来なくなり、連絡も取れなくなり、家にも行ってみましたが、A君に会うことは出来ませんでした。私はものすごく後悔しました。私は何も言わなかったけど、その場にいて、冗談だと笑っていた彼らを正すことなく、A君が帰った後もその場にいたことを後悔し、あの時追いかけて一緒に帰っていたらなと思いました。A君を深く傷つけてしまい、本当に今でもA君の悲しそうな顔が忘れられません。私は何とか謝りたくて手紙を書いて、彼の人柄が好きで大切な友達であったこと。あの日の自分の態度を謝り、私は勇気をもって話してくれたことに感謝し、これからも友達と伝えました。ですが、すぐには返事がこないまま私も大学を卒業し、社会人になった頃、登録してない番号から電話がかかってきたのがA君でした。あの時からの経緯を全て話てくれました。初めてみんなを信頼して話したけどだいたい反応は予想していたけど、ショックだった。親にも打ち明けたが、受け入れてもらえず、家をでたっきり。死のうとも思ったけど、同じ仲間に出会えて今は仕事もして元気にやってる。あの時は誰も信用できなくなっていて返事できなかった。ごめんね。と写真を送ってもらいました。そこに写るA君は自信に満ち溢れて笑顔の素敵な女性に変身していました。私よりも話し方が女性らしく私が反省したくらいです。
性別で悩むということが世の中にはあって、それはとても深刻で真摯に話を聞くべき重要なこと。偏見でたくさんの人が傷ついているという事を知り、それは当事者たちを深く傷つけることだという事を学んだ出来事でした。
ありのままの自分でいていいんだ。と思える場所というのは生きていく中ですごく大切なことです。最近は性同一性障害など性別で悩んでいる方はたくさんいらっしゃいます。偏見の目で見られ、その方たちはほとんどが受け入れてもらう場所がなく、偽りの自分を演じて生活していたり、生きにくいと感じ引きこもりになってしまったり、孤独になっておられる方が想像以上におられます。
性別の悩みだったり、人に言いにくい悩みを一人で抱えたままでいると、誰にも理解してもらえない自分は生きてる意味はあるのかと考えてしまう方、生きてるはずなのに心は死んでいるなどと感じておられます。
当院は性別の悩み、性同一性障害などのその他の様々な悩みの診察も行っています。
ここにきて一度お話を聞かせてください。孤独にならないでください。
ありのままの自分をさらけ出して、ご自身のありのままをお話しください。ありのままの自分でいることに自信を持てると自己肯定感も高まっていきます。
患者さまに信頼していただきありのまま聞かせていただけるような診察を心がけております。
決して一人で悩まないでください。お待ちしております。