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ウイルスと細菌

こんにちは。本日も神戸オイレクリニックです。本日もブログご覧いただきありがとうございます。最近は院内では、アロマディフューザーの香りを金木犀にしています。金木犀の香りが個人的にはすごく好きで季節の変わり目を感じさせてくれますね。そして、秋になると色んな行事がありますが、中でも運動会。今はコロナの影響で中止や生徒たちだけになっていたりするかと思います。実際、我が子も中止になりました。この時期になると自分の子どもの頃の運動会などよく思い出します。私は小学校の時は、母と祖母たちが重箱にあれこれおかずを詰めてお弁当を作って来てくれたことをよく思い出します。栗ご飯だったり、炊き込みご飯だったり、季節の野菜を使った煮物だったり。最初はすごく嬉しかったのですが、まだ小学生の私は周りと同じおにぎりだったり、洋食のおかずだったりがよくて隣の友だちの家のおかずをよくうらやましかったのを覚えています。ですが、今考えるとすごく贅沢なお弁当だったなと思います。そして孫のためにすごい数の栗の皮をひとつひとつ剥いて下ごしらえしたり、旬の野菜を食べさせようと色んなおかずを準備してくれたり。そんな祖母たちの優しい思いが大人になってよくわかりました。だから今は感謝しかありません。

さて、本日はウイルスと細菌について書いていきたいと思います。

今は新型コロナウイルスの影響もあり、ウイルスという言葉をよく耳にすると思います。そして、毎年冬になると蔓延するインフルエンザ。「普通の風邪ってインフルエンザが原因?それとも細菌?」「曖昧だけど身近な病気はなんなのか?」

●ウイルスと細菌の違いと特徴

まず、ウイルスと細菌の大きさについてですが、どちらも人の目で見ることは不可能です。

・ウイルスとは、最近の約1/50の大きさをしており、自分で細胞を持たないという特徴があります。そのため、ウイルスは他の細胞を持った生物に入り込んで生きています。生物と物質の中間ともいえる存在です。ウイルスは他の生物の細胞内に入ると複製(コピー)を作るという性質を持ち、細胞内でDNAやRNAを放出します。ウイルスに入られた生物は正常な機能ができなくなり、やがて死滅します。ウイルスに分類されるものとして、普段からよく耳にするものは「風邪」「インフルエンザ」「ノロウイルス」などがあります。

・細菌とは1mmの1/1000とウイルスよりも大きいものですが、それでも人の目では見えない存在です。ウイルスと違い自身で細胞を持っている単細胞生物となります。栄養源さえあれば自身で細胞分裂をし、増殖できる性質を持っています。人の体内には億単位で細菌が存在しており、体を守っている細菌(善玉菌)と、体に害を与える細菌(悪玉菌)がいます。

お腹の調子を整えることで有名な乳酸菌をはじめ、口の中の中にいて虫歯や歯周病を防いでくれるものや、皮膚の表面に張り付いてバリアとなってくれる細菌もいます。肌をきれいに洗いすぎる人がたまにいますが、これは皮膚にいる善玉菌まで落としてしまうことになるため、肌の抵抗力が弱くなってしまう危険性があります。

一方で大腸菌・黄色ブドウ球菌・結核菌などの病気を引き起こす悪玉菌も存在します。悪玉菌は細菌全体の1割程度が分類されます。残りの7割は日和見菌と呼ばれ、体の状態により勢力の強い側に味方するという特徴があります。疲労・生活リズムの乱れ・ストレスなどによって体調が悪くなると、体内の細菌バランスも崩れて日和見菌が悪い方に作用してしまいます。

●風邪はウイルスから、肺炎は細菌から

風邪はウイルスが原因、肺炎は細菌が原因です。ウイルスが原因で起こる鼻・喉の感染症を一般的に風邪と呼んでいますが、新型コロナウイルスの場合もやや特殊であるものの、回復の方法は同じです。約80%の人が無症状や軽い症状で自然治癒していきます。20%の人は気管支や肺炎症状となり、免疫を獲得して治癒になります。細菌感染における治療は抗菌薬(抗生剤や抗生物質)が有効です。ただし、抗菌薬(抗生剤や抗生物質)を使うことにも注意点があり、最も気をつけなければならないことは抗菌薬は長いこと使っていると効きが悪くなるということです。これは薬剤耐性菌と呼ばれるものが存在し、細菌がだんだん抵抗力をつける性質を持っているからです。

同じ風邪であっても、細菌性かウイルス性かで取るべき策は大きく異なります。自分で判断することは非常に難しいため、風邪のような症状が見られる場合は速やかに医療機関に相談しましょう。