コミュニケーション能力②
- 2021年9月21日
- クリニックブログ
こんにちは。神戸オイレクリニックです。本日もブログご覧いただきありがとうございます。今日は、気持ちよく晴れている神戸です。連休だった方もたくさんいらっしゃると思います。お疲れが出ませんように。私は昨日は、パニック障害についてのオンラインで勉強しておりました。とてもためになる話であっという間に時間が過ぎていました。また、その詳細はまとめていつかブログで書いてみたいと思います。日本にいるとちょっとした心の不調でも皆さん我慢しておられることが多いです。それは、精神的な病気にたくさんの偏見があるからですね。しんどくても恥ずかしいから、カッコ悪いから、人目に触れないようにと言われたりしてなかなか相談できないということもよく聞きます。そして必要なお薬以外に大量にお薬を処方され、信じて飲み続けていても何十年たっても改善されていない患者さんもたくさんいる日本の精神科医療に常に疑問を抱えていて、私はこの仕事を始めました。もちろんお薬を必要な時は処方をするのは当然ですが、患者さまが口頭で症状をおっしゃただけで、詳しく話も聞かないまま薬を追加していくという医療機関があるのも事実です。薬は最終手段なわけで、その前に患者さま一人一人のお話を聞いた上で、必要な量のお薬を処方することで、薬に頼らず克服できるような診察をすることが心療内科、精神科では大切なのではといつも思います。
さて、本日は先日の引き続きで、コミュニケーション能力の続きで、コミュニケーション能力を構成する4つのスキルと鍛える方法をテーマに書いていきます。
前回、コミュニケーションは「相互のもの」であり、2つの手段(言語、非言語)があることをふまえると、コミュニケーション能力は4つのスキルに分解できることができます。
・言語・・・①伝える力 ②聴く力
・非言語・・・①伝える力 ②読み解く力
言語に関する能力は、「正確に伝え、正確に受け取る」うえで重要であり、非言語に関する能力は「信頼関係を築いてく」のに重要です。苦手もしくは不足を感じるスキルから優先的に鍛えていき、結果的にすべてのスキルがバランスの良い状態になっていることが理想です。
①自分の言いたいことを「伝える力」
相手にわかりやすく、そして言いたいことをきちんと伝える力のことです。
②相手の言葉を「聴く力」
聴く力を鍛えるためには、まず「相手の伝えたいことを最後までしっかり聴く」という姿勢と態度が重要です。聴く力が不足している人で、相手の話の展開が見えたら先回りをして話始めたり、途中でさえぎって質問する人がいます。また、すぐに相手の言葉を否定してしまう人がいますが、これらのことはやめましょう。人は「自分の話は聴いてもらえない」と感じると、尊重されてないと受け取ってしまいます。信頼関係は、お互いに尊重し合えている人同士で成り立ちます。
また、「聴く力」は相手の伝えたいことを理解する力でもあります。相手の言葉だけで理解しきれない場合は、便宜質問や「このような理解で、合っていますか?」などの確認をして情報を補完し、理解を進めましょう。
③非言語を「伝える力」
非言語は、目の動きや表情、声のトーン、身振り手振りなどです。「言語を聴く力」にも関連しますが、相手が話しやすい雰囲気を作るために、非言語でのコミュニケーションが重要になります。相手にしっかり聴いていることを伝えるために、相手の方へ体や視線を向け、うなづいたり相づちを打ったり、表情で反応したりなど行いましょう。
④非言語を読み解く力
相手の感情や言葉の裏に隠された本当の思いなどをくみ取ってるうえで重要になるのが、非言語を読み解く力です。たとえば、相手が感謝の言葉を述べつつも表情が暗かったら、他に本心があるのではないかと推測できます。人は気持ちに寄り添ったリアクションをしてくれたり、共感をしてくれる人に信頼を寄せるので、信頼関係を築くうえで重要なスキルです。(中にはプライドが高く本心を悟られるのを嫌う人がいるので、その場合は気づかないふりをすることも大事です)
読み解く力を鍛えるためには、「相手に興味・関心をもつこと」「相手を観察すること」「情報をストックすること」が基盤となります。本来読み解く力は、人間が本能的に持っている力です。普段のコミュニケーションを言語に頼っている部分が多い人や相手に興味関心を持たないままのコミュニケーションでやり過ごしている人は、場によって思い出していくので、日常で相手に興味を持ち観察することで習慣化してみてください。
そして、観察と同時な、非言語で得た情報をストイックしていきましょう。感情の起伏や表にどのくらい出すかは人によって異なるので、「言語と表情が合っていない」例でいうと、人によっては単に疲れていたり体調が悪いことが原因である可能性があるので、すべてをテンプレート化することは危険です。同時に、相手が使っている言葉や行動を観察することで価値観や軸がみえてくるので、その情報もストックしてみてください。そうした個々の言語、非言語コミュニケーション、行動パターンといった情報のストックから、相手との会話でいつもと違う変化やその人の価値観とのズレを感じた時に「あれ?」と気づくことができるようになります。また、こうした分析を繰り返していくと、似たようなパターンの人に出会った時は、初めて会う人でも本心などを読み解きやすくなります。