コロナ禍の悲観バイアス
- 2021年10月19日
- クリニックブログ
こんにちは。本日も神戸オイレクリニックのブログをご覧いただきありがとうございます。今日は天気が良いのかと思いきや何だか曇り空になってきました。最近は温かい飲み物が美味しく感じます。今日は、朝に久しぶりにココアを飲みました。ココアって何だか心がホッとするような気がします。後、温かいほうじ茶も大好きです。皆さまは寒くなるとどんな飲み物飲みますか?
さて、本日のテーマは、コロナ禍の悲観バイアスについて書いていきたいと思います。
●悲観バイアスとは?コロナ禍で気をつけたい思考のとらわれ
長引くコロナ禍で、過度に悲観的に考えてしまう方が増えていると感じます。ワクチン接種を済ませて予防対策もしいるのに、感染が怖くてほとんど家から出られない。仕事への影響がこのまま続く気がして将来に不安しかない。感染の波が何度も襲ってくるため、プライベートなよ予定も立てられず、先のことを楽しみにする気持ちがなくなった。このような心境にある方は少なくないのではないでしょうか。
物事を何でも悲観的に受け止め、ネガティブに考えてしまう認知バイアスのことを「悲観バイアス」と呼びます。根拠なく「何をしても無駄だ」「この先どんどん悪くなる」というように、深刻に考えてしまいます。
●悲観バイアスとストレスを増やす考え方「認知のゆがみ」
「悲観バイアス」には、「認知のゆがみ」と呼ばれるストレスを増やしてしまう認知パターンとの共通点があります。
・一般化のしすぎ
悪いことが起こったときに、「一度あることは二度ある」「悪いことが起こる運命」というように一般化して捉えること。
例えば、パンデミックが収束する未来を信じられず」、「悪夢は繰り返される」などと考えて頭を抱える。
・心のフィルター
考えることがネガティブなことばかりで、「マイナス」のフィルター通して物事を捉えること。
例えば、感染対策を万全にして行動しているのに、「感染してしまうかもしれない」と常に不安になっている。
・先読みの誤り(結論の飛躍)
先に起こることが、不幸なことばかりだと信じ込んでしまうこと。
例えば、コロナ禍で滞る社会や経済のニュースを見ながら、「このままでは日本は終わりだ」と嘆き、頭を抱えている。
・拡大解釈と縮小評価
悪い面ばかり大きく捉え、良い面をあまり評価しないこと。
例えば、コロナ禍だからこそ実現できたことに目を向けず、「コロナであれもこれもできなくなった」「コロナでこれだけ損した」と失ったものの数ばかり考えている。
●悲観バイアスへの対処法
パンデミック下では、「悲観バイアス」が作動して辛くなるのも無理ありません。しかし、悲観バイアスに振り回されているだけでは、前向きに行動することはできません。「極端に悲観的に捉えているかも」と感じたときには、自分の思考の根拠を探ってみましょう。
悲観的に考える根拠の情報源がいつも同じである場合、異なる立場、異なる視点からの情報や解釈に触れてみることが必要です。
●人の多様な考え方と行動を知ると、悲観バイアスから解放される
深刻な状況の中でも、人は多様な考え方と行動をしています。自分一人だけ、あるいは同じメンバーの間だけで考えて悲観的になるより、立場の異なる人、多様な価値観を持つ人の意見を聞き、考え方と行動の幅を広げるのはいかがでしょうか。
コロナ禍だからこそ実現できることを存分に味わい、楽しんでいる人もたくさんいます。たとえば、友人に気軽に会って話せないからこそ、丁寧に手紙を書く喜びに気づき、友情を深めることができたという人もいます。
他人の思考と行動の多様性を知ると、悲観バイアスに縛られて苦しむ自分を解放することができます。