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ネットで誹謗中傷

こんにちは。本日も神戸オイレクリニックのブログをご覧いただきありがとうございます。昨日から気温が下がり、今朝は冬のような冷たい風が吹いていました。初雪が観測された所もあったとか。昨日は、あまりにも寒かったので、チゲ鍋を作り食べました。すごく温まりました。これからお鍋の季節ですね。お鍋は野菜もたくさんとれるし、なんせ簡単にできるしで昔から大好きです。そして寒くなってくるとファッションも楽しめて寒いのは嫌ですが、楽しみです。

今日は、ネットで誹謗中傷をテーマに書いてみたいと思います。最近は重要な社会問題にもなりつつある、ネットでの誹謗中傷。有名人が誹謗中傷により自殺したり、小学生、中学生などのいじめの自殺の原因でもよくあるのがネットでの誹謗中傷。沢山の問題が起きているのにいまだになくならない誹謗中傷。今日はその誹謗中傷について書いていきたいと思います。

●ネットで誹謗中傷が止まらない2つの理由

SNSの普及と共に増えていく、ネット上の誹謗中傷。ひとたび批判のターゲットにされると瞬く間に攻撃され、とことんまで追い込まれてしまいます。特に、昨今は、政治家の言動や行政の対応、芸能人の素行が批判のネタとなり、ネット上ではたくさんの誹謗中傷の書き込みが炎上しています。

では、なぜネット上では誹謗中傷が過激になりやすいのでしょうか。

①集団極性化…集団で話し合うと極端な結論になりやすい

集団で議論しているときには、一人で考えるときより極端な結論になりやすくなることがあります。これを心理学では「集団極性化」と呼んでいます。

例えば、グループ内でマナーの悪い人の話題が出ると、いつしか口汚い罵りに発展し、あとから「みんなでなぜ、あれほど悪く言ってしまったのだろう」と後悔したことはありませんか?これは集団極性化によって、会話が極端な方向に暴走してしまったためです。

②没個性化…匿名で発言できるため、攻撃的な主張をしやすい

ツイッターなどのSNSは匿名で書き込むことができるため、個人が特定されることはありません。ですが、そのため普段は言えないようなことも大胆に主張できてしまいます。個人が集団の中に埋没する「没個性化」という現象によって生じるものと考えられます。

例えば、SNS上の誹謗中傷により名誉棄損罪で逮捕された加害者が、普段はとても大人しく穏やかな人であり、性格にギャップに驚かされることがあります。これは、SNSという没個性化の環境において、本人は普段は抑圧している攻撃性の一面が表出してしまい、暴走してしまった結果だと考えられます。

◎ネットで衝動的・感情的にならないために必要なこと

SNSには誰にも同じ条件(文字数制限等)でタイムリーに自分の考えを発信できること、そして人々の多様な意見や本音を知れること、趣味や感性の合う人とつながれる、といったたくさんの利点があります。

一方で、SNS上では集団極性化によって話が極端な方向に流れ、没個性化によって衝動的で攻撃的な発言が生じやすくなる、といった欠点もあります。思いつきで書いてしまった言葉がそのまま拡散され、過激な方向に暴走する。その結果、人を追い込み、名誉棄損の加害者になってしまうリスクがあるのです。

そのため、SNSに書き込む際には、送信ボタンを押す前にいったん時間を置き、読み返す必要があります。そして、「衝動的に書いてないか」「本当にこれを発表していいものか」と考える必要があります。

◎ネット・SNSを便利に使いこなす人は「メタ認知」を働かせている

ネットやSNSを活用する際には、書き込む側も読む側も「メタ認知」を働かせる必要があるのです。メタ認知とは、自分の認知を高い位置から認知すること。つまり、自分が考えていることや感じていることを俯瞰して捉えることです。

そのため、何かをSNSに書き込もうとする際には、「私は今、このことをSNSで書こうとしているんだ」と認知し、その自分の行動を高い位置からモニタリングするイメージを持つことです。そして、本当にそれを行って良いのか、書き込む内容に責任を持てるのか、匿名性という条件に安住して発言してないか、といったことを自分に問いかけていくことが必要です。

また、ネットの情報を読んで感情が揺さぶられたときにも、そうした自分自身をモニタリングすることです。「この発言に強く同感しているのはなぜ?」「これを読んで、胸がえぐられるのはなぜ?」というように、その時に覚えた感情を観察していきます。そして、同感や怒りから衝動的に書き込みをしようとしていないか、メタ認知を使って振り返りましょう。すると、感情の暴走を防ぐことができ、責任にある行動をとることができます。

ネットやSNSを上手に活用すると、生活の幅や人間関係は格段に広がっていきます。しかし、一時の感情や衝動に振り回されず、便利なツールとして使い続けていくためには、「メタ認知」を働かせることが重要になります。