双極性障害
- 2021年6月14日
- クリニックブログ
こんにちは。本日も神戸オイレクリニックのブログをご覧いただきありがとうございます。まだまだ湿気のある天気ですが皆さま体調には十分お気を付けください。昨日は休みでしたが、腰を痛めていたため自宅で療養しておりました。といいますか、ずっとゴロゴロしておりました。
韓国ドラマを見る前にYouTubeを見たのですが、最近、ここ数年で耳にするようになったサスティナブル(Sustainable)という言葉です。サスティナブルに生きる。とか、サスティナブルに暮らす。とか色々なところで耳にするので調べてみたところ、「持続可能な」「ずっと続けている」という意味があります。いま世界中で「サスティナブルな社会の実現」を目指していて、地球の限りある資源を大切に使い、良い状態で未来にバトンを繋いでいくこと。例えば、買い物の行く時にエコバックをるというのは、今では多くの人が実践しているサスティナブルな習慣になるそうです。その他には、マイボトルを持ち歩いたり、フードロスを減らすように心がけたり、地産地消を意識する、モノを長く使う、節水、節電、資源リサイクルなど他にもあるようです。自分なりの工夫を少しライフスタイルに取り入れられるだけでも、他の生き物たちの暮らしを考え、尊重することにも繋がり、地球の限りある資源を大切にし、循環させながら使用していこう、地球の美しい風景や環境を未来まで残そう。という願いが込められたのがサスティナブルに暮らすという意味だと知り、なんて素敵な言葉なんだろうと思い、そして自身の生活を振り返ると全くサスティナブルな生活ではありませんでした。反省しました。私も未来の子供たちや生き物のために自分が出来るかぎりのサスティナブルな暮らしを目指してみようと思いました。
今日は双極性障害について書きたいと思います。皆さん双極性障害は聞いたことがありますか?
双極性障害は、うつ病だと思いながらも、極端に調子がよくなって活発になる時期がある場合は、双極性障害かもしれません。双極性障害では、ハイテンションで活動的な躁状態と、憂うつ無気力なうつ状態を繰り返します。躁状態になると、眠らなくても活発に活動する、次々にアイディアが浮かぶ、自分が偉大な人間だと感じられる、大きな買い物やギャンブルなどで散財するといったことが見られます。躁状態ではとても気分がよいので、本人には自覚がありません。そのため、うつ状態では病院に行くのですが、ほとんどの方が躁状態の時には治療を受けないことがあります。ですが、うつ病だけの治療では双極性障害を悪化させてしまうことがあります。本人だけではなく、周囲の人も、日頃の様子や気分の波を見守り、躁状態に気づくことが大切になります。
普通の「気分の波」と「双極性障害」の違いは、双極性障害は、躁状態とうつ病を繰り返す病気です。躁状態とうつ状態は両極端な状態です。その極端な状態をいったりきたりするのが双極性障害になります。
気分の波は誰にでもあります。幸せな感じがする時もあれば悲しい気分の時もあるのは当たり前のことです。嫌なことがあった時に落ち込んだり、楽しいことがあった時にウキウキすることはごく自然なことで、病気ではありません。
ですが、周りの人達が、何だかいつもとテンションがちがうな。変だな。いつもはおとなしいのにずっとしゃべってるな。と思うほど行き過ぎていて、そのために家族や周りの人が困ったり社会的信用を失うほどであったら、双極性障害かもしれません。
双極性障害はかつては躁うつ病と言われていたため、うつ病の一種と誤解されていましたが、うつ病とは異なる病気で治療も異なります。
双極性障害の症状として色々なタイプのものはありますが、主にⅠ型Ⅱ型になります。双極Ⅰ型障害も双極Ⅱ型障害も、うつ症状のとき同じなのですが、大きく違うのは躁症状で、Ⅰ型は重く、Ⅱ型は軽い躁になります。
まず、Ⅰ型はどんな症状なのかを見ていきます。
Ⅰ型は激しい躁状態が特徴で社会生活にも影響を及ぼします。Ⅰ型は躁状態が少なくとも7日間続く場合です。激しい躁症状を何度も繰り返すうち、仕事を失う、人間関係がとだえる、家族関係にひびが入り離婚するなど、さまざまな形で社会生活に支障が起こり、患者さまの生活レベルが大きく低下することがあります。双極性Ⅰ型障害は、激しい「うつ」と「躁」という両極端な症状を繰り返しますが、うつ症状の期間のほうが一般的に長く、躁状態の期間はわずかになります。また、症状(躁症状、あるいはうつ症状)がある時期の間には、うつも躁もない、よくなっている時期があります。ただし躁とうつを繰り返すうちに、よくなっている時期でも、色々な能力が低下していくとされています。そして、躁とうつを繰り返すうちに、加齢とともにサイクルが短くなっていく傾向があると言われます。
次にⅡ型はどんな症状なのかを見ていきます。
Ⅱ型は、躁状態が短い分、診断の難しい病気です。軽い躁状態は見過ごされうつで受診される方が多いのが特徴です。双極Ⅱ型障害の躁症状は、双極Ⅰ型障害ほど重くない軽躁で、社会生活に支障がでることはほとんどありません。軽躁状態にあると、気分が高揚してアイデアがわき、仕事をバリバリとこなす絶好調の状態になることもあります。このような軽躁状態は本人にとっては心地よいものですから、それで医師を受診することはありません。家族や周囲の人の目には、いままでのその人と違うように見えることもありますが、本人が自覚するだけの軽躁状態も多く、病気とまでは考えず見過ごされてしまいます。なので、ほとんどの方がうつ症状があらわれてから病院を訪れます。双極Ⅱ型障害は、躁の症状が軽いといっても、診断がつきにくく、単極性のうつ病と診断される場合もあります。そしてうつ症状も、Ⅰ型より長く、しつこく続きます。また、軽躁状態は本人にとって心地よいだけではありません。病気が長引くにつれ、イライラや焦躁感、不眠などが強まってきます。Ⅱ型はほかの不安障害、パニック障害などを併発しやすく、Ⅰ型より慢性化しやすい傾向もあり、自殺のリスクも、Ⅰ型より高くなっているため。決して軽く考えず適切な治療を受けることが大切になります。
最後にⅠ型とⅡ型それぞれの特徴をまとめてみます。
【双極Ⅰ型障害】
・躁症状がつづく期間が7日以上で、Ⅱ型(4日間)より長い。
・躁症状が重症になると、入院が必要になることがある。
・躁症状によって、社会生活や仕事などの機能が障害される。
・躁の期間より、うつの期間の方がずっと長い。
・自殺の危険度は、単純性うつ病より高くなる。
【双極Ⅱ型障害】
・症状が出てない時期は、病前の機能を取り戻す可能性が高い。
・面倒見がよい、社交的、ほがらかも傾向が強い。
・うつ症状が慢性化しやすい。
・不安障害を併発しやすい。
・軽い症状が長時間つづく。
・自殺の危険度は、Ⅰ型よりもさらに高い
・うつ症状の時期は、おっくう感があり、過眠、体重増加の傾向がある。
などがあげられます。
この双極性障害は、ご自身で気づかないことが多く、職場などでトラブルがおきて初めて受診される方が多くいらっしゃいます。双極性障害の原因で考えられるのが、一番はストレスにあります。ストレスといっても人それぞれストレスの受け止め方により、たとえ病気になったとしても経過がちがってきます。なので、少しでも自分の中に何らかのストレスがかかり、こころが沈んだり、何か違うな、しんどいなと思うのであれば、早めに医師の診察を受けることをお勧めします。
双極性障害だけでなく、さまざまな心の病気はストレスがまず大きな原因になります。明日はストレス回避する方法を書いてみようかと思います。
一人で孤独になり思い悩んでいたり、ストレスがかかりすぎてどうしたら良いかわじゃらない時、一度神戸オイレクリニックにご相談ください。いつでもお待ちしております。