〒650-0021 神戸市中央区三宮町3丁目7番10号 協栄ビル602号
078-977-8338

ブログ

社交不安障害

こんにちは。本日も神戸オイレクリニックのブログをご覧いただきありがとうございます。まだまだ日中は真夏日の気温の日があるようです。気温の変化で体調を崩されぬようにお気をつけください。昨日はお休みでした。いくつかご飯の作り置きを作りました。私は元々和食が好きで、しかもおばあちゃんが作るような煮物が好きだったりします。大根とこんにゃくの煮物とかひじきとか切り干し大根の煮物など好きなのでよく作ります。料理はあまり得意じゃないけど、料理を作っている時は無になれるので好きです。

さて、今日は社交不安障害について書いていきたいと思います。皆さんは社交不安障害をご存じでしょうか?

社交不安障害は、社会恐怖とも呼ばれ、日本では、対人恐怖症、赤面恐怖症と言われていたものです。人前で恥をかいたり、恥ずかしい思いをすることを極度に恐れ、そのような社会的状況に強い不安や苦しみを感じ避けてしまいます。

人前に出ると緊張する、わけもなく不安・恐怖するなどの症状から、その程度が大きくなると社会生活にも支障をきたすようになります。

以前は「気持ちの持ちよう」「性格の問題」とされることはありましたが、れっきとした障害になります。現在では10人に1人がかかるとも言われています。

・スピーチの前に頭が真っ白になって「パニック」

・人前では、顔が赤くなって恥ずかしいから人混みを避けてしまう。

・食べるところを、他人にみられると、過度に緊張して食べられない。

・あらたまった所で、字を書こうとすると、過剰に手が震えてうまく書けない。

・職場で来客にお茶をだすとき過剰に手が震えてしまう。

・汗のにおいや口臭など、自分の身体のにおいが他人に嫌な思いをさせてないか過剰に不安でたまらない。

●社交不安障害とは

人前であがってしまったということは誰でも経験するものです。またシャイな人もどこにもいます。しかし、社交不安障害では、人前で恥かいたり、恥ずかしい思いを怖れるあまり、そのような社会状況をすべて避けてしまい、外出や通勤、通学も出来なくなるなど、日常生活や職業的あるいは社会的機能が著しく障害されます。社交不安障害の患者さんでは、人前で話したり、食べたり、飲んだり、字を書いたりするような場面で、「手や声がふるえていることがわかってしまうのではないか」と心配で、このような状況を避けてしまいます。またこのような状況に患者さんが遭遇すると、恐怖のあまりパニック発作をおこす場合もあります。なお、すべての社会状況を避けてしまう場合を「全般性の社交不安障害」、限定された2,3の社会的状況のみ回避する場合を「非全般型の社交不安障害」と、症状の程度で2つに分ける場合もあります。

●症状

社交不安障害の特徴は、社会状況の対する予期不安とその状況から回避行動という症状です。前者は、注目の的になることや収拾がつかない行動をしてしまうことに対する強い恐怖で、そのため後者=そのような状況を避けてしまうのです。たとえば、社交不安障害の患者さんは、人前で話ししたり、食べたり、飲んだり、字を書いたりするような場面で、「手や声がふるえることがわかってしまうのではないか」と心配で、このような状況、つまりデートをすることやパーティーに参加することなどを避けてしまいます。このような状況に患者さんが遭遇すると、恐怖のあまりパニック発作をおこす場合があります。回避行動がひどくなると、学校にも行けなくなったり、仕事ができなくなったり、家からまったく出られなくなってしまい、さらには、うつ病を併発し、社会機能の低下が著しくなってしまいます。また、社交不安障害の患者さんには、回避的な性格を持つ方が多いとされています。

●原因

社交不安障害の原因は明確には分かっていませんが、生物学的な体質や生育環境が発症に大きく影響すると言われています。社会的状況下で不安が増強し、再び発作を起こすようになります。もちろん、実際に人前で何か重大なミスをしてしまった人もいます。そして、社交不安障害ではパニック障害と同様に、本来生命を維持するために重要な「脳内アラーム機構」が障害されるため、「社会的状況が命に関わる重大な状況である」と前頭葉が間違った判断をしてしまい、同様の社会的状況を避けてしまうわけです。生物学的体質とは、脳の間脳という部位でのセロトニン、ドーパミンという神経伝達物質の機能に弱い部分があり、ストレスを生じた場合に、パニック障害と類似した扁桃体や前頭葉の機能障害がおきると考えられています。また、生育環境としては、幼児期の家庭環境が影響し、過保護や逆に過度のしつけ、無頓着で情緒的な支えに欠けている環境、批判的な環境、両親の不和、虐待などが社交不安障害の危険因子であるとの報告もなされています。

●治療と経過

社交不安障害の治療には、薬物療法と認知・行動療法が行われます。薬物療法で不安を抑えつつ、認知・行動療法で不安状況に対する対処法を身に着けていくという治療法が多く行われます。

経過は持続性のこともありますが、薬物療法などの適切な治療によって、症状は軽くなることは期待できます。また、就職、結婚などの生活環境の変化で症状がまったくなくなることもあります。ストレスにより悪化することもあるので日常生活面でのサポートが重要です。

●家族や周囲の人の対処法

患者さん自身、この病気で悩んでることが多く、「性格が弱いからだ」、「気のもちようだ」などの励ましは、本人をいっそう苦しめてしまいます。正しい病気の知識をもつことが大切ですので、専門の医療機関への受診が第一です。治療の遅れは病状を重症化させ、社会的機能を低下させるので、早めに受診し、適切な治療を受けることです。