9月1日問題といじめ
- 2021年8月31日
- クリニックブログ
こんにちは。神戸オイレクリニックです。本日もブログをご覧いただきありがとうございます。昨日も帰ってからスピンバイクをやりました。最近ハマり出した韓国ドラマの賢い医師生活というドラマを観ながら30分しかまだこげませんがやっています。最初、そのドラマは日本の白い巨塔のようなドラマかと思っていましたが実際に見てみると全然違って、リアルな医療現場のドラマでした。最初は全く見る気になれなかったのですが、友だちにすすめられて見始めました。このドラマはこのような医師が増えていったらよいなと思うドラマです。昨日は、バイクを漕ぎながら大号泣しながら見ました。とても良い話です。
さて、本日は9月1日問題といじめについて書いていきたいと思います。9月1日、夏休みが明けるタイミングに子どもの自殺は増加します。メディアでは9月1日問題と報じられるようになりました。いじめから、取り返しのつかない選択から守るために。いじめのサインを見抜くコツからいじめ発覚後の対処法を書いていきたいと思います。
●9月1日問題とは夏休みはいじめも小休止
いじめ現場になることが多い学校がないと夏休みの期間は、いじめも小休止します。いじめられている子は、つらい思いをすることが減りますが、9月1日が近づいてくることを憂鬱に感じています。何とか学校に行かずに済まないだろうかと考え続けるのです。
●いじめ被害チェックポイント
夏休み中はいじめの被害にあう機会が減る分、いじめられているサインを見つけづらいかもしれません。しかし、特有のサインが表れている場合もあります。
・スマホでの通話の後やLINEのやり取り後、ふさぎ込むか妙に明るくふるまう→スマホを介してのいじめに遭っている可能性。
・新学期の準備をしたがらない→学校が始まることを受け入れたくない心情である可能性。
・学校のことを考えると憂鬱になり、無気力になる→いじめが再開している可能性
上記があてはまる場合、子どもがいじめられていることを考慮し、本当のところを慎重に確認していかなければなりません。
●いじめかも?子どもから話を聞くステップ
◎時間をかけて向き合い、傾聴する
◎苦しんできたことをねぎらう
◎心配していることを伝える
◎一緒に考え、孤立を防ぎ安心感を与える
●子どもに死にたいと言われたら
・絶対にダメな返しは「そんなこと言うんじゃありません」
子どもの死にたいと言われた時、親は動揺し、戸惑ってしまうと思います。こんなに愛しているのに。大事に育ててきたのに。という気持ちが強ければ強いほど、子どもから自分の人生を否定されるようなことを言われると、親は傷ついてしまいます。驚きのあまり「そんなことを言うものじゃありません!」などと叱ってしまいそうになりますが、そこはぐっと我慢しましょう。親からすれば、自分を傷つける言葉へのとっさのリアクションでも、子どもは「つらい気持ちになってはいけない」と感情の否定として受け取ってしまいます。
・命の大切さや親の死生観を説いても、追い詰められた子どもには逆効果
子どもの多くは、大人に比べて人の死に触れる機会も少なく、死について理解が十分ではありません。子どもの死にたいは、積極的に自分を破壊したいというものから、消えてなくなってしまえばいいのにといううっすらとした願い、明日学校に行きたくない、といったものまでさまざまです。大人でさえ死への認識には人によって開きがあるのですから、子どもならなおさらです。
・死にたくなるほどの問題かを大人の基準で判断しない。
状況が見えてくるにつれ、大人からすると「なんでそんなことで」と思ってしまうことがあるかもしれません。しかし、死にたいと言葉にするというのは余程のことです。毎日がつらくてつらくて仕方ない。それを表現する最大級の言葉として「死にたい」が出てきていることを理解しましょう。
●子どものいじめ自殺を防ぐ親の関わり方
・「あなたが死んだら悲しむ人がいる」と伝える
あなたがいなくなると悲しむ人がいると伝え、死を自分の目線だけでなく、自分を取り囲む人々の気持ちからも考えられれば、最悪の事態を回避できる可能性が上がります。
・何でも話し合える親子の信頼関係を築いておく
いじめがよりいっそう深刻化してしまうことを恐れて、子どもはいじめられていることを打ち明けづらいものです。日頃から子どものことを観察し、ささやかな変化にも気づけるようにしておきましょう。
日常生活における何気ない会話にも耳を傾け、難でも話せる親子関係を築いておけば、つらい時にも相談しやすくなります。時には抱きしめて「大好きだよ」と伝えるなど、密なコミュニケーションが子どもの命を守ることに繋がります。
・いじめは暴力!決して軽んじず、見過ごさない
加害者としては、からかっていただけ、ふざけていたつもりでも、クラスやグループなど一定の人間関係のある同一集団内で、身体的あるいは数の上で優位に立つ側から、心理的・物理的な継続攻撃があるようなら、それは立派ないじめです。「気にしすぎじゃない」と子どものつらさを軽んじるようなことを言ったり、「ふざけていただけかも」と加害者の肩を持ってしまうような言葉がけは決してせず、はっきりといじめは暴力だと伝えましょう。
・あなたは悪くないと断言する
いじめ加害者がどれだけ自分を正当化しようとしても、いじめにおける悪は当然ながら加害者。被害者には責任も落ち度もありません。もし、加害者の気に障るような言動がきっかけでいじめが始まったのだとしても、被害者がいじめという暴力を受け入れるいわれはありません。子どもが自分自身を責めてしまわないように、このことを断言しましょう。
・あなただけじゃないと知ってもらう
深刻ないじめは、どこにも起こりえます。現代のいじめは、加害者と被害者の立場が入れ替え変わるなどしながら、多くのこどもたちが体験するのが特徴。被害者に特別な問題があるからいじめを受けた訳でもなく、誰もがターゲットになる可能性があるのだと知ることは、自己評価を下げないためにも大切です。
・あなたの価値は変わらない
いじめによって、子どもの自尊心に重大なダメージを負ってしまいます。「いじめが起こったのはあなたのせいでなく、加害者の問題ということを強調したうえで、自信を失うことはないだのだと伝えてあげましょう。子どもが親に気を使われていると感じるかもしれませんが、何度でも繰り返して言葉にしてあげることで効いてきます。
いじめは犯罪です。どんな正当な理由も私は通らないと思っています。許せない行為です。加害者は軽い気持ちかもしれません。被害者はどんないじめだって一生の傷になり、トラウマになることはたくさんあります。被害者にとってはいじめに遭わない夏休みだったかもしれませんが、学校にいつか行けなくなる日が来るかもしれません。追い詰められている被害者の子どもたちは、どこに相談してよいかもわからないと思います。もちろん親にだって簡単には出来ません。そんな時、SNSに頼ってしまうかもしれまんが、弱みに付け込む大人がたくさんいるのは事実です。危険なこともあります。
専門の相談機関は沢山あります。つらい気持ちを相談してみてください。もちろん当院のような心療内科や精神科に相談にきていただいても構いません。そしてもし来れない場合などは以下のような窓口があります。
○子どもの人権110番
○子どもの人権SOSミニレター
○法務省 インターネット人権相談窓口
○24時間子どものSOSダイヤル
一人で悩まず一度ご相談ください。
今、このコロナ禍が原因で心の不調を抱える子どもたちが過去に見られないくらいの数で増えているそうです。